社会
2025年度修学院フォーラム「社会」<第2回>
<エネルギーを考える13>
「なぜ生命を脅かす原発に 今なお頼り続けるのか?」
【対面開催】
講師:青木 美希 
(ジャーナリスト、作家、日本ペンクラブ言論表現副委員長)
講師:武藤 類子 
(原発事故被害者団体連絡会共同代表)

発題1「なぜ日本は原発をやめられないのか?」

       講師 青木  美希

 「私たちはメリットばかり知らされ、デメリットが知らされていないことがわかった」。私の講演を聞いた大学生の言葉です。
 福島第一原発事故から14年、いまも原子力緊急事態宣⾔発令中で数万人が避難していま す。富士山周辺地域の野生キノコはセシウムが検出され出荷制限がかかっています。原発 事故の収束作業ではがんの労災認定者が14⼈となっています。これから汚染が激しいエリアの作業が多くなっていきます。880トンのデブリは0.9グラムしか取り出せていません。原発があれば、私たちの負担は電気料金と税金で重くなっていきます。これだけの大きな事故を起こしながら、なぜ再び原発に戻るのか。なぜ現政府はそこまでして原発に固執するのか。
 みなさまと考えたいと思います。

 

発題2「原発事故は私たちに何をもたらすのか 福島の現状から」

                       両日とも福島からオンライ参加

       講師 武藤 類子                   

2011年の福島原発事故から14年が経ちます。事故は今も収束せず「原子力緊急事態宣言」は発令されたまま解除されていません。多くの住民が家、仕事、家族、地域社会、伝統行事や芸能、楽しみなどを失いました。原子力発電所が事故を起こすと、その被害は多岐にわたり長期間続きます。更に、放射性物質の再拡散、原発労働者の過酷な被ばく、住民の健康被害など新たな被害が生まれています。
 日本政府はGX法、新エネルギー基本計画で、事故後減らしていく方針だった原発の、最大限の利用を再び推進しようとしています。原発事故の中心である福島から宣伝などを使った原発事故の被害の風化、莫大な復興予算を投じた災害便乗型ビジネスが繰り広げられ、事故の責任は曖昧にされたまま、助けが必要な被害者は口を封じられ置き去りにされています。
 絶望的な現実に向き合ったうえで、なぜこんなことが起きるのか、どう抗う事が出来るのかを一緒に考えて頂けたら幸いです。

◎スケジュール◎    

【1日目】 9月14日(日)

16:0016:30 オリエンテーション

          参加者紹介

16:3018:00 発題講演1

      青木 美希さん

18:0019:00  夕 食

19:0021:00  はなしあい 

2100~     自由懇

2日目】 15日(月・祝)

7:30 8:00 静想の時

8:00~ 9:00  朝食・チェックアウト

9:0010:30 発題講演2

 武藤 類子さん

10:3010:50 休憩

10:5012:10  はなしあい

12:1013:10 昼 食

13:1014:00 グループ別はなしあい 

14:0014:20  休憩

14:2015:30 総合討論

15:30      閉 会


申込は下記より  
(クリックするとフォームが開きます)

申込ボタン.png


2025年9月14日 (日) 〜 9月15日(月・祝) (日)16:00~(月・祝)15:30
場 所:関西セミナーハウス
(京都市左京区一乗寺竹ノ内町23)
参加費:16,000円、学生 5,000円(1泊3食込、京都市宿泊税200円込)〔個室の場合、差額1,000円、学生相部屋のみ〕
締切日:2025年9月9日
*できるだけ全日程ご参加ください。やむを得ない場合は、部分参加でも可能です。
*お申込みには、電子メールなどで受付のお知らせをお送りします。申込み後2~3日経っても返信が無い場合は、お問合せください。
*前日正午以後のキャンセル、変更には、キャンセル料金が発生します。
<講師プロフィール>
青木 美希(あおき みき) 氏
ジャーナリスト、作家、日本ペンクラブ言論表現副委員長
ジャーナリスト、作家。日本ペンクラブ言論表現副委員長。札幌出身。
エネルギー研究者の父の影響で原発問題を学生時代から30年にわたって調べてきた。北海タイムス、北海道新聞、全国紙と3社の記者を計23年。記者職を外されたのちもフリーとして取材を続け、出版不承認のなかで出した近著『なぜ日本は原発を止められないのか?』(文芸春秋社)は6刷となり、脱原発文学大賞、貧困ジャーナリズム賞を受賞。2025年4月に韓 国語版が出版された。初の単著『地図から消される街』(講談社)は3賞を受賞、ほかに 『いないことにされる私たち』(朝日新聞出版)。新聞記者として「北海道警裏金問題」「プロメテウスの罠」「手抜き除染」で取材班として新聞協会賞を3度受賞している。
YouTubeあおタイムスを立ち上げ、福島第一原発やその周辺の今を現地映像やインタビュー で伝えている。
<講師プロフィール>
武藤 類子(むとう るいこ) 氏
原発事故被害者団体連絡会共同代表
1953年福島県生まれ。チェルノブイリ原発事故をきっかけに脱原発運動に参加。2003年より、「原発から遠い暮らし」を提唱する里山喫茶「燦(きらら)」を経営、森からの採集や省エネの工夫によって、エネルギーや食糧の半分の自給を目指す。2011年の福島原発事故で店は廃業。東電旧経営陣の刑事告訴をはじめ、東電や国、自治体の事故の責任と事故後の対応を追及。福島原発告訴団団長、原発事故被害者団体連絡会共同代表。3・11甲状腺がん子ども基金副代表理事。
著書に『福島からあなたへ』『10年後の福島からあなたへ』(大月書店)、『どんぐりの森から』(緑風出版)がある。2013年12月、「第9回 女性人権活動奨励賞(やより賞)」を受賞。2025年3月、バイエルン自然保護連盟より「バイエルン環境賞」受賞。
Page top