いのち
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2012年度修学院フォーラム「高齢を生きる―認知症・胃ろう・尊厳死を見据えて―」
第2回 高齢者福祉を繕う―NPOちいろばの働きを考える
  高齢化社会が本格化する中で、高齢者が満足感をもって日々の生活を生き、尊厳をもって自らの生を締めくくるための制度や文化は、まだ十分に成熟しているとは言 えない。本フォーラムでは、高齢者本人のみならず、家族に対しても大きな精神的・倫理的課題を突きつけることになる認知症と、それにともなう胃ろうの設 置、尊厳死の問題を本格的にとりあげる。また、こうした終末期の課題をしっかりと受けとめるためにも、そこに至る長い老いの時期を、いかに積極的に生きる ことができるかを、それを実践している先端的な現場において考えていきたい。
講師:君村 淳(NPOちいろば「晴れる屋」責任者)君村 千代子(NPOちいろば「ス カサ」責任者)
  新しい試み、お年寄りの小規模デイ・サービス事業とみんなの広場「あなたの居場所ス カサ」とを一つにしたNPO事業が始まって2年が経った。事業も順調に進み、デイ・サービス事業は、日曜日以外は休まずに運営されている。きめ細かいサービス、安心して集うことができる場、人と人とが見えない壁を取り払って「くつろぐ場」、そんな居場所づくりを造り続けている、それがNPOちいろばである。
 今の社会福祉事業は、個々の施設と公共の機関との連携の中で事業がなされ、個々の福祉対象者にケアがなされている。ただ、制度が整うことで、福祉現場は専門化し、そこに市民やボランティアの参加が閉ざされ、閉鎖的な社会が生まれてきている。
 本来、日本の社会福祉は、ボランティアが福祉を支え、現場に市民が参加し、権利と義務とが相関関係に則って成り立つことを願い考えられてきた。その点、NPOちいろばは、ボランティアの参加と専門家によるサービスとが一つの現場で成り立つ「場づくり」をし、さらに、垣根のない「広場」づくりをめざそうとしている.この取り組みは、福祉の原点を見つめる働きのように思える。是非、現場をみていただき、己の老後をそこに当てはめてみたい。

NPO ちいろば の 紹介

 2010年4月にスタートしたNPOちいろばの活動は、現行の福祉制度の隙間を縫うような
働きをすることを目的に始まった。
 ちいろばは二つの機能・働きをもつ。ひとつは、誰もが利用できるたまり場「ス カサ」(私の家)と、もう一つは小規模多機能デイサービス事業「晴れる屋」の活動である。この二つの事業が一つとなって機能することをもって、今日の福祉の狭間を補完するのであるが、前者はボランティアが中心となって運営され、後者は専門職員によって運営されている。

2012年10月27日 (土) 12:00~15:30
場 所:あなたの居場所「ス カサ」(京都市伏見区桃山町泰長老175番地シャルム世光105号)
参加費:1,000円、学生500円(ランチ・コーヒー込)
定 員:20名
締切日:10月24日(但し、定員に達した時は締め切ります)
  
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