社会
2015年度修学院フォーラム「社会」第1回(エネルギーを考える第4回)
"核"の縄目からの解放に向けて

講師:川上 直哉 
(NPO法人 東北ヘルプ事務局長)
講師:飯田 哲也 
(認定NPO法人環境エネルギー政策研究所所長)

「『フクシマ』の声と国際 ヒバクシャ連帯   川上 直哉

 支援事業として、宮城県から神奈川県に至る範囲で「被ばく」した90名を超える「放射能禍に不安を覚える親御さんたち」と定期的に面談をしてまいりました。その方々は、大量の口内炎、広範囲の皮膚疾患、恒常的な発熱や空咳、頻出する鼻血、甲状腺の異常、白血病、視力の急激な低下、といった症状を、お子さんやご家族に確認しておられる方々ばかりです。気になるのは、お医者様の対応です。検査や検証をするまでもなく原発との関係が言下に即断で否定されるばかり、とのこと。まるで、その可能性を検討することが「悪」であるかのように。牧師として、神学者として、この事態に戸惑いながら、多くの人々と出会い、意見を伺って、また「親御さんたち」と語り合っている日々です。イデオロギーや政治的目標の達成は措いて、ともかく、苦しむ人々の現場から、そしてその現場へ。今回もそうした貴重な時となればと思います。


「エネルギー・デモクラシー〜地域からのエネルギー変革」   飯田 哲也

 2011年3.11に発生した東京電力福島第一原発事故は、世界史に残る地球規模の最悪級の原発事故であり、日本を崩壊の瀬戸際に追いやり今もなお10万人を越える避難者や広域の放射能汚染をもたらした大惨事である。その「大不幸中の幸い」は、10年前に始まった世界的な自然エネルギー革命の真っ只中にあること、そして「原発神話」の中にあった国民の大多数が目覚めたことである。
 ヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマと世界史に刻まれた日本の核の被害を心に刻み、今こそ核兵器も原発もない「核に依存しない社会」を実現すべきときであるだけでなく、その実現が今や可能であることを示す。


◇プログラム予定◇
1月10日(日)
    16:00 オリエンテーション
    16:30 川上 先生 発題講演
    18:00 夕食
    19:00 質疑応答、 はなしあい
    21:00 自由懇談
1月11日(月) 
     7:00 静想の時
           7:30 朝食
           8:30 飯田 先生 発題講演
        10:00 コーヒーブレーク
        10:30 質疑応答、はなしあい
        12:00 昼食
        13:00 グループ討論
        14:00 コーヒーブレーク
        14:30 総合討論(まとめ)
        16:00 終了

 

2016年1月10日 (日) 〜 1月11日(月) 10日16:00~11日16:00
場 所:関西セミナーハウス
(京都市左京区一乗寺竹ノ内町23)
参加費:14,000円 学生5,000円(宿泊3食込)
締切日:2016年1月5日
* 全日程参加者を優先しますが、直前になって会場に余裕があれば、部分参加もお受けします。 * ご宿泊は満室になり次第締め切ります。 * ご宿泊の基本は2~3名の相部屋です。 シングル利用をご希望の方は、追加料金(2,100円)が必要です。 * お申込みには、メールか電話で返信を致します。1~2日経っても返信が無い場合は、不着の可能性がありますので、 お電話などで、 再度ご連絡ください。 * 前日正午以降のキャンセル・変更には、キャンセル料をお願いすることがあります。
<講師プロフィール>
川上 直哉(かわかみ なおや) 氏
NPO法人 東北ヘルプ事務局長
 1973年牧師の家に生まれる。神学博士(立教大学)。日本基督教団仙台北三番丁教会担任教師。東京基督教大学において神学生寮の担当職員を担当した後、2001年から仙台に住み、日本基督教団仙台市民教会主任担任教師を経て、現職となる。併せて、非常勤講師(仙台白百合女子大学・東北学院大学・宮城学院女子大学)、仙台白百合女子大学カトリック研究所研究員、宮城刑務所教誨師、NPO法人「東北ヘルプ」事務局長、宮城県宗教法人連絡協議会常任幹事、「心の相談室」共同代表、反貧困みやぎネットワーク事務局長代行、「特定秘密保護法に反対する牧師の会」呼びかけ人。  2015年度より放射能災害の減災を目的として家族は沖縄県に移住中。著書に『日本におけるフォーサイス受容の研究』(キリスト新聞社)、『被ばく地フクシマに立って』(ヨベル)、『食卓から考える放射能のこと』『被災地支援と教会のミニストリー』(共著・いのちのことば社)。
<講師プロフィール>
飯田 哲也(いいだ てつなり) 氏
認定NPO法人環境エネルギー政策研究所所長
  1959年、山口県生まれ。京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻修了。東京大学先端科学技術研究センター博士課程単位取得満期退学。原子力産業や原子力安全規制などに従事後、「原子力ムラ」を脱出して北欧での研究活動や非営利活動を経てISEPを設立し現職。自然エネルギー政策では国内外で第一人者として知られ、先進的かつ現実的な政策提言と積極的な活動や発言により、日本政府や東京都はじめ地方自治体のエネルギー政策に大きな影響力を与えている。   国際的にも豊富なネットワークを持ち、21世紀のための自然エネルギー政策ネットワークREN21理事、世界バイオエネルギー協会理事、世界風力エネルギー協会理事なども務める。 3.11後にいち早く「戦略的エネルギーシフト」を提言して公論をリードしてきた。  福島第一原子力発電所事故発生以降は、経済産業省資源エネルギー庁 総合資源エネルギー調査会基本問題委員会委員や、内閣官房原子力事故再発防止顧問会議委員を歴任した。 2014年より一般社団法人 全国ご当地エネルギー協会 事務総長をつとめ、地域からのエネルギーシフトを進めるために全国を奔走中。主著に『エネルギー進化論』(ちくま新書)など多数。
  
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