福祉
2014年度修学院フォーラム「福祉」
第2回 ほどほどに去る~終末期医療の現場から~
 福祉はひとの誕生から死まで、さまざまな場面でひとと寄り添い、ひととともに生きようとする営みです。さらに、 喪失の悲しみは、残された者に死によって終わることのない生の意味を問いつづけます。 介護、終末期医療、 葬送など、人生の局面を通して、われわれ自身のいのちと福祉のあるべき姿をともに考え、ともに語り合いましょう。
講師:徳永 進 
(野の花診療所院長)
 学ぶなら自然にだろう。いつも青天、いつも星空、ということはない。曇天で吹雪で猛暑で豪雨だったりする。人は春か秋の日の、美しい穏やかな日だけを求めがちになる。自然の生き方を、人は学べるだろうか。
 子供も成長も、教育も老いも、病いも死も、美しさや穏やかさだけを望まれてもかなうまい。人間たちの工夫は、戦争死をお互いがどう避けるか、に集約されるべきなのだろう。
 多くを望むことは避けたい。ほどほどに生き、ほどほどに去る。去ると何かが生まれ始める。
2014年5月24日 (土) 13:30~16:30
場 所:関西セミナーハウス
参加費:2000円、学生500円 (コーヒー込)
締切日:5月21日
<講師プロフィール>
徳永 進(とくなが すすむ) 氏
野の花診療所院長
1948年、鳥取県に生まれる。京都大学医学部を卒業。 京都、大阪の病院・診療所を経て、鳥取赤十字病院の内科医に。 2001年12月、鳥取市内にホスピスケアのある19床の有床診療所「野の花診療所」を始める。今年で11年目となる。 1982年『死の中の笑み』(ゆみる出版)で、第4回講談社ノンフィクション賞を受賞。1992年、第1回若月賞(独自の信念で地域医療をしている人に贈られる)を受賞。 著書には『隔離』(ゆみる出版)、『医療の現場で考えたこと』『老いるもよし』(岩波書店)、『野の花診療所まえ』(講談社)、『死ぬのは、こわい?』(イースト・プレス)、『詩と死をむすぶもの』、谷川俊太郎さんとの共著(朝日新書)、 『てんしさん』(関西看護出版)、『野の花ホスピスだより』(新潮社)などがある。最新刊は『こんなときどうする?』(岩波書店)
  
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