社会
2016年度修学院フォーラム「社会」
第1回 宗教と戦争を考える〈1〉
旧約聖書における「聖戦」をめぐって

講師:勝村 弘也 
(神戸松蔭女子学院大学名誉教授)
 現在、地球上の様々な地域で起こっている戦争行為に対して、宗教の側からは、「われわれは平和を教えているのであって、戦争のような暴力行使とは関係がない」との主張が繰り返しなされてきました。しかし、それは本当でしょうか。近年のアメリカによる「十字軍」発言は、キリスト教が「異教」に対してかつて行なってきた暴力行為をイメージしており、しかもそれが「聖戦」であったことを想起させるものです。この聖戦のルーツを辿ると旧約に行きつくことは言うまでもありません。旧約には「異教」に対する徹底的な暴力を当然のこととして正当化している言説が存在します。特にヨシュア記、士師記、サムエル記にそのことは集中的に現れす。このことを現代の旧約学者たちがどのように見ているのかを紹介し、聖書を批判的に読むことの意味を考えたいと思います。


◎予定スケジュール

          13301500     講演・発題                   

                15001530     コーヒーブレーク 

            15:30~17:20   質疑とはなしあい

            17201730  まとめとアンケート記入

2016年10月 8日 (土) 13:30~17:30
場 所:関西セミナーハウス
(京都市左京区一乗寺竹ノ内町23)
参加費:2,300円 学生1,000円(コーヒー込)
締切日:10月5日
<講師プロフィール>
勝村 弘也(かつむら ひろや) 氏
神戸松蔭女子学院大学名誉教授
1946年、兵庫県西宮市に生まれる。神戸松蔭女子学院大学名誉教授。ウイリアムス神学館教授(非常勤)。京都ユダヤ思想学会会長。「憲法九条をノーベル平和賞に推す神戸の会」常任委員。京都大学陸上競技部コーチ(女子)。旧約学者、特に知恵文学を研究。「サムエル記注解」を執筆中の他に、死海文書の「感謝の詩篇(ホダヨト)」などの解読にあたっている。著書に『旧約聖書に学ぶ』(日本基督教団出版局)、『詩篇注解』(日本基督教団出版局)、『箴言カレンダー』(聖公会出版)、『旧約聖書を学ぶ人のために』(共著、世界思想社)など。翻訳にG・フォン・ラート著『イスラエルの知恵』(日本基督教団出版局)、岩波書店からの旧約翻訳シリーズの「箴言」「雅歌」「哀歌」「エステル記」を担当など。
  
Page top